3DPプロセス
概要
FDM 3Dプリンティング
低コストで扱いやすく、試作に好適。利用できる材料の幅も広いのが特長です。
FFF 3Dプリンティング
装置コストが低く、ユーザーフレンドリーで、材料選択の自由度が高いです。
SLS 3Dプリンティング
高強度・高耐久の部品をサポート不要で造形でき、さまざまな材料に対応します。
MJF 3Dプリンティング
高速造形、優れた機械特性、複雑形状の製作に適しています。
バインダージェッティング 3Dプリンティング
金属・セラミック部品を高速で製作。フルカラー対応、加熱不要の工程が可能です。
PolyJet 3Dプリンティング
高解像度・フルカラー・多材料の滑らかな表面部品を造形できます。
MMJ 3Dプリンティング
異なる特性の多材料同時造形に対応し、複合機能部品を実現します。
LOM 3Dプリンティング
大型部品にコスト効率よく対応。多層材料で耐久性のある造形物が可能です。
産業分野
アプリケーション
ラピッドプロトタイピング
試作モデル、嵌合・機能試験、コンセプトモックアップ
製造・ツーリング
カスタム治具、量産用最終部品、組立用治具
航空宇宙・航空
機内インテリア部品、ダクト類、非構造部品
自動車
内装パネル、カスタムノブ、エアベント
医療・ヘルスケア
義肢装具、手術補助具、カスタム医療用エンクロージャ
コンシューマエレクトロニクス
ケース、スタンド、プロテクティブカバー
建築・建設
建築モデル、複雑デザイン要素
エネルギー・電力
絶縁体、新エネルギー向け試作、非導電部品
ファッション・ジュエリー
カスタムファッション小物、ジュエリー試作、装飾品
教育・研究
教育用キット、研究プロジェクト模型、学習補助具
スポーツ・レジャー
カスタムスポーツ用品、防護具、ガジェットやアクセサリ
ロボティクス
エンクロージャ、構造部品、カスタムコンポーネント
設計上の留意点
主要ポイント
肉厚
剛性確保の目安は最小 0.8 mm。TPU など柔軟材ではさらに薄肉も可能です。
公差
コンシューマ機では ±0.5 mm 程度が一般的。産業機ではさらに厳密化が可能です。
穴設計
最小径は 1 mm 以上を推奨。高精度が必要な場合は後加工による穴さらいを検討します。
サポート構造
45°超のオーバーハングに必須。除去性や表面粗さへの影響は材料依存です。
造形方向
サポート低減、積層痕の最小化、部品強度の向上を考慮して最適化します。
熱マネジメント
反り防止に重要。特に大きな平面では有効。冷却ファンやヒートベッドを活用します。
ラティス構造
強度を維持しつつ軽量化と材料削減が可能。内部支持として有効です。
応力集中
滑らかな曲面・R取りで応力を分散し、割れのリスクを低減します。
熱処理
一部樹脂はアニールで内部応力を低減し、寸法安定性を向上できます。
製造上の留意点
材料選定
必要特性(柔軟性、強度、耐熱性など)に基づき選択。一般的には PLA、ABS、PETG、TPU などがあります。
テクスチャ
希望の質感に合わせて設定を調整。薄いレイヤーと高解像度設定で表面が滑らかになります。
表面粗さ
レイヤー高や造形速度で管理。サンディングや薬液処理で外観をさらに向上できます。
精度管理
プリンタの較正、最適な造形速度、安定した環境制御で誤差を抑えます。
層制御
強度とディテールのバランスを取る層厚を最適化。薄層は高精細だが造形時間が増加します。
収縮制御
ABS など収縮しやすい材料では、反り防止と寸法精度維持のために補正を行います。
反り対策
ヒートベッド、冷却制御、適切な密着手法で反りを抑制。特に広い平面で有効です。
後処理
薬剤スムージング、UVコーティング(耐候性向上)、塗装など。樹脂種と用途に応じて選択します。